とても興味深い記事が今朝(9月4日)の日経新聞朝刊総合1面深層探求に掲載されていました。
日本のコロナ感染者にかかる医療情報がなぜ横展開されないのかについて考察した内容になっています。
個別症例のデータは集約し情報として分析比較することで、成功事例の横展開が促進されます。
成功事例の横展開の前提は、異なる法人や地域や国といった、群間でのデータ比較を前提に、データ項目やその記載方法などが群によらず標準化されていること。
データを即時性を持って集約の仕組みがあることです。
日本の医療体制においては、それが整備されていないと指摘されています。
ただ、ここで覚えた違和感は病院などでごく普通に見るようになった電子カルテ(電カル)です。
どこの病院にも電カルがあるのだから、それが保険者が集約することはそれほど難しくないような印象を覚えます。
実際に、国内の医療機関における電カル普及率は46.7%とほぼ半数近くの医療機関が導入しており、ベッド数が400床以上の大型病院での普及率は85・7%とのことです。
電カルは院内での情報伝達の漏れやムラをなくし、医療事故などクリティカルなアクシデントを医師、Nsなど他職種間で即時性をもって防止するためのインフラでもあります。
もともと即時性や他職種間でのデータ利用を前提としているのだから、集約比較も簡単そうに思えます。
ただ、実際には導入期において各ソフトウェア開発会社ごとに電カルの仕様はバラバラで、かつ医療機関ごとにカスタマイズがされ、さらに診療科ごとにその記入の仕方のルールが異なるなど院内は別として、院外、地域外、国外など広い範囲でのデータ比較とその活用を前提としてないと説明されています。
また、カルテ入力は医療において、日常不可欠かつその多くを占める業務行動ですので、一度定着した不可欠業務のやり方を変更することの困難さも指摘されています。
これは、医療を例とした事例紹介ですが、多くの業界、企業に共通する課題のように思えます。
どのように考えをすすめるべきなのでしょう。
会社が抱えている課題は何か。そのためにどのようなデータの収集、比較が必要か。
そのようなデータを日常業務の中でどのように記録しているのかを洗い出す。
それとは反対に、日常業務の中でどのようなデータを記録しているのか(紙に書き、入力しているのか)。そのようなデータを集約するとどのような課題が解決できるのか。
そのように考えを進めるべきなのでしょうか。
これという結論には至りませんが、大変興味深く勉強させていただきました。
ありがとうございます。
それでは、今日も良い1日を。