青山 竜文さんの
を読みました。
医療経営者の立場で医療経営について深く切り込むといよりも、
金融機関が融資をする前提で医療機関の経営の特性や見方を概説していただいています。
医療は、営業エリア、営業内容、サービス単価などが国により細かく規定され、
良質な医療を国民に提供するために国家資格者である医師や看護師、薬剤師のみが
供給者として認められている極めて規制の枠がきつい、経営の自由度が少ない事業分野です。
その特性は頭では理解していましたが、本書を読むことで経営における意味合いを
改めて確認することができました。
興味深かったのは、規模の経済がその業界に働いているのかどうかを確認する手立て、
当たり前なのでしょうけれど、
業界大手(大型病院)と業界下位(個人クリニック)などの収益性を比較する。
規模の経済が働いて入れば、大型病院の収益性は個人病院の収益性を有意に上回るということになります。
ただ、実際にはその差は少なく、医療業界が極めて労働集約型産業であることの裏付けになります。
これは自分にとってはとても大きな気づきでした。
機器や医療材料といった人によらない収益を持たない、
介護サービスであればこの傾向はさらに強まるのだと思います。
自社も労働集約が当たり前の業界にいますが、
今後、より良い経営、安心健康な経営を実現するためには、
労働集約化している工程(部門)をどれだけ設備やITなどに置き換えることができるのか。
常にそのことを意識する必要がある。
そのように読み終えました。