入山 章栄さんの
世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
を読みました。
経営学者と言うと、理論だけで経営の実践の場ではどう?という感じもしますが、
実践の中で感じているけれど言葉でまとまっていないこと
断片的に感じていることをうまく繋いでくださっています。
特に、組織学習についてはとてもすっきりしました。
組織が成果を上げていく上で組織として知恵が大切である。
そのことは誰もが感じています。
ただ、具体的にどういう状態をどのように作れば良いのかということは不明です。
本書では、他のメンバーが何を知っているのかを組織のメンバーが知ること。
何を知っているのかではなく、誰が何を知っているのかを知ること。
それが組織が知恵を高めていく上での大切だと述べています。
このことは感覚的には感じていましたが、言葉で整理できていなかったので
今回、言葉で整理することができ、本当にありがたいです。
その状態をどう作るのかについては、多分、社員の知識録のようなものを作るよりも
日常のやりとりを他の方も同時に見ることのできる場、
例えばLineの広場のようなものを共通の場所として作り、
個別のやりとりをその場で目にする。より多くのやりとりに浅く触れる。
そのような環境整備が有効なのだろうと思います。
他にはソーシャルキャピタルが生み出す価値についても述べてくださっています。
私には益するところの大きな一冊でした。