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    2017年中小企業白書から

    IoTを活用し業績を向上している十勝バス株式会社さまの事例を紹介します。

    ホームページはもちろんですが、SNSの活用や専用アプリの開発など

    ICTを利活用し顧客の利便性を高め、同社への親和性を高める努力をなさっています。

    「少し色が多いような。」という印象も持ちましたが、

    情報が利用者本位で整頓されている素晴らしいホームページです。

    同社の変遷です。

    ① 自家用車の保有台数増加による利用顧客の減少

      1969年にはおよそ2300万人の利用客を獲得していましたが、

      その後の40年あまりで利用客はおおよそ1/6の400万人にまで減少しました。

      運賃改訂などの単価向上はなさったと思いますが、

      売上高のベースが80%減少しています。

      80%は驚くべきマイナスですが、40年の複利計算をすると年率4%強です。

      例えてはとても失礼かと思いますが、ゆでガエルの典型のようにも思えます。

    ② 経営戦略の見直し

      顧客ベースの減少は競業相手である自家用車の普及から来ていることは明らかですが、

      では、顧客が競合相手に対してバスのどこが負けているのかを明らかにすることは

      経営戦略を見直す最重要ポイントと言えます。

      仮説は「バスでの移動が不便だから」でした。

      ただ、十勝バスさまが賢明でいらっしゃったのは、足を使って顧客の声を直接聞いたことです。

      利用客減少の危機感を共有し、

      2008年ごろから一般住民を個別訪問し、バスを利用しない理由を直接調査なさいました。

      事実は「バス停の場所や乗り方、運賃、どこを走っているのかなどが分からず不安だから」でした。

      1)移動に際して感じる不便さではなく、

      2)情報不足による利用方法の分かりづらさが、バスを利用しない大きな理由である。

      これはとても興味深いことです。

      いろいろな見方ができますが、経営戦略に置き換えると

      例えば、1)であれば、バスを利用している(していた)既存(遊休)顧客に対して

        バスを利用した際の快適さや利便性を高める。

      となりますが、

      2)であれば、現在はバスを利用していない潜在顧客に、

       自社が持つバスの乗り方や運賃、運行経路などの

      (自社や既存顧客にとっては当たり前な)基本的情報を分かりやすく便利に伝える。

      というように戦略や戦略に付随する経営資源の展開が大きく異なるものとなります。

      特に1)の快適性や利便性については測定が困難なことから、

      戦術レベルでのムダやムラも生じやすくなります。

      十勝バスさまが実際に足で確かめて2)という結論を得たことはとても勉強になります。

    ③ 戦略の展開 ICTやIoTの利活用

      1) 検索アプリ「もくいく」の開発

         外部のIT業者と共同で路線バスのルートを検索するアプリを開発なさいました。

         目的地を入力すれば、最寄りの停留所、経路、所用時間などの情報を閲覧できます。

      2) バスロケーションアプリ「バスロケ」の導入

         バスにGPS情報を発信するスマホを搭載。バスの位置情報をアプリが発信します。

         利用者はアプリを介して、バスが今どこにいるのかを確認できます。

         バスのIoT化です。

         顧客は寒い日や雨の日に当てもなくバスを外で待つ必要が無くなります。

     1)2)とも住んでいる人、移動している人に関わらず潜在顧客を獲得する上でとても有効であると思います。

    ④ 業務効率化へのICTの活用

      バスに搭載したカメラセンサーにより、停留所ごとの乗降客数の把握ができます。

      これまで経験則に頼っていたこのようなデータを活用することで

      顧客の利便性向上とより効率的なバスの運用を両立するダイヤ改正も可能となります。

    顧客の声を素直に経営に生かし、柔軟ICT、 IoT利活用への取り組みを進めた結果

    2011年からは前年対比での増収を実現なさっています。

    また、アプリの運営費用は全て広告費で賄い

    安全で快適な移動の提供という本質的価値を損なうコストカットも回避なさっています。

    とても参考になる事例です。

          
      



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