2017年中小企業白書から岐阜県岐阜市にある
株式会社岐阜多田精機さまの事例です。
ホームページをご覧になった方は驚かれたと思いますが、
白を基調としたとても清潔感があるページで情報も整理整頓されています。
必要とする人とが必要なモノ・情報をすぐに手に取ることができる。
5Sをきちんとしていっらしゃることが想像できます。
とても勉強になりました。
同社は金型の設計・製造事業者でいらっしゃいます。
その変遷を確認します。
① 1990年代後半 新たな競合先である海外製造事業者との価格競争激化への対応
1)三次元CAD/CAMシステムを早期に導入
→図面では対応困難な局面形状などを引き受け差別化
② 自動車業界からの軽量化、コスト削減要求の高まりへの対応
1)金型部品の樹脂化が進む
2)経済産業省の「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」を活用
*リンクは本年6月に締め切られた平成29年度事業のものです。
3)サポイン事業により社外に経営資源を構築→最新技術導入や高耐熱性樹脂による金型開発を進める
③ 生産効率向上のための技術開発への取り組み
1)2012年複数の工作機械の運転状況を遠隔で一元管理する「アンドロイド」システムの開発
・支援機関や県内企業などの外部経営資源を活用し共同開発
・工作機会のアンドン(稼働状態表示信号灯)情報をアンドロイド端末で集約、遠隔一覧表示
・従来のPCシステムよりも低コスト導入可能
・加工終了後すぐに段取り作業に取り組むことを可能にする。
・異常停止への対応も迅速化し工作機械の稼働率が高まる
④ センサー技術などIoT関連技術研究への注力
1)サポイン事業で確立した外部経営資源を活用
2)センサー搭載樹脂成形金型「スマート金型」の開発
・温度や圧力変化から成形状態のモニタリングが容易に
・成形に最適な条件(温度、圧力、振動)データを収集し生産管理や不具合発生時の原因究明に活用
・スマート金型が製品成形の最適条件データをセンサーから抽出し、自動で不具合を検出
・より高精度の生産手段の提供が可能に
⑤ 事業のサービス産業化(開発品を生かした新たなビジネスモデルの構築)構想
1)スマート金型の技術を利活用
2)メンテナンス等の保守サービス
3)製造条件のコンサル事業など
変化に対応することはとても難しいことであることは実感していますが、
外部経営資源を利活用し事業のコアを明確にしながら
柔軟かつ選曲的に事業の幅を広げていらっしゃいます。
とても参考になる事例です。