2017年中小企業白書から岐阜県山県市の株式会社田中金属製作所さまの事例です。
同社は資本金1000万円、従業員30名の中小企業です。
同社のシャワーヘッド”アリアミスト ボリーナ”は累計販売数量30万個というヒット商品となっています。
価格は楽天の正規販売店で確認をすると1万円程度。とても「良い金額」です。
同社がヒット商品を生み出すまでの変遷です。
① 下請メーカー時代
1) 2003年頃まで水栓バルブ部品の製造をなさっていました。
2) 住宅着工の低迷→需要停滞×価格競争激化=主要取引先水栓バルブメーカーの廃業
→ 売上高が10分の1まで減少
② 自社製品開発と販路開拓への取り組み
1) 節水バルブ=シャワーヘッド部品→より高付加価値=価格の高いシャワーヘッド開発に着手
2) 2005年自社開発節水バルブを組み込んだ消費者向けシャワーヘッド「アリアミスト」を開発
③ より付加価値の高い製品開発への取り組み
1) アリアミストの販売不振=「節水」という付加価値のみの訴求の限界
「節水」だけでは訴求対象が大きすぎて広告宣伝活動を尖らすことができない。
2) 美容作用や洗浄作用を発揮するマイクロナノバブルを付加価値として追加
→2011年「アリアミスト ボリーナ」の開発
④ ブランディングのアウトソーシングによりヒット商品に
1) 「アリアミストボリーナ」開発後、社長自らによる実演販売などの積極的PR活動の実施
2) 商品の知名度アップのためにブランド戦略をアウトソース
1. 製品コンセプトの明確化:「節水しながら美しくなる」
2. ターゲットの明確化:美容、健康志向に高感度の30代の女性に絞り込み
→ 保湿」「湿浴作用」などの検索ワードを押し出す
このような変遷を経て
「アリミストボリーナ」を累計30万個のヒット商品にすることに成功なさっています。
付加価値を加えターゲットを絞り込む。
ネットを活用し販路を柔軟迅速に広げヒット商品を生み出しました。
とても参考になる事例です。