2017年の中小企業白書からの事例です。
事業再生の事例としてポイントが簡潔にまとめられており
分かりやすく得るところ大でしたのでご紹介します。
静岡県富士市にある株式会社半田工業所さまの事例です。
2010年3月にお祖父様が急逝したことで33歳の若さで半田光社長が事業承継されました。
経営の経験も無く、経営管理の知識も乏しいことから赤字が続いたとのことです。
経営管理の知識の乏しさは採算管理の甘さに繋がります。
具体的には
① 工事毎の採算性を把握していない。
② 受注獲得を優先し、適正価格で受注をしていない。
③ 取引先に対する単価交渉を十分に行なっていない。
などが行動ととして現れており、
その根本には経営陣の経営管理の意識の乏しさがあります。
結果として極めて利益率の低い経営となります。
改善のために行ったことは
① 経営者が自社の収益構造の仕組を理解する。
具体的には社長自身が過年度の採算実績のまとめを行った。
② 重点志向で係数管理を行う。
1)原材料仕入れ額(鉄骨)の変動に対応した見積もり作成
2)最低利益率を設定した上での取引先との単価交渉
3)月次での収益管理
以上を行った上で、営業エリアの拡大により利益拡大を図りました。
このような業務改善プロセスの中で中小企業診断士が要となる役割を努めておられます。
熱意に満ちた指導を行われた結果、
社長の経営管理能力が高まるだけでなく、
意識が変わることで会社は8期ぶりの黒字を計上する会社へと変化しました。
まさに、人生・仕事の結果は、考え方×熱意×能力を実感するものです。