山梨県南アルプス市にある株式会社オーテックメカニカルさまの
事業承継の事例です。
創業者である芦澤会長は41歳で起業し同社を設立されました。
設立後10年目には永続していく会社づくりのために
優秀な従業員への事業承継への取り組みを開始なさいました。
聡明な方であるなと感心します。
① 同社の強みは、省力機械・自動機の開発、設計への高い技術力です。
② 強みを磨くために、創業当初より技術力向上と人材育成に注力なさってきました。
③ 事業承継にあたっては、18年間継続している経営計画発表会が最も効果を発揮しました。
1)会長の経営に対する考え方を従業員に伝えることで、経営者と従業員のベクトルが一致している。
2)発表会を続けることで、社員を経営者視点を持つ人材へと育成できる。
2002年には41歳の若林現社長を常務取締役に選任し事業承継を開始なさいました。
若林氏は事業承継について
⑤ 経営計画発表会を通して会長の経営理念を共有してきたこと
⑥ 経営計画書の存在により、経営の方向性性が定まっていたので経営承継しやすい環境であった
と述べていらっしゃいます。
また、若林を投資育成などによる外部経営者研修などに積極的に参加させ、
経営者に必要な知識習得とあわせて経営を継ぐものとしての自覚を促しました。
⑦ 事業承継にあたっては、資本をどうするのかが課題ですが、
芦澤会長一族の保有株式の大半を役員や従業員持株会に譲渡し、
資本の問題を解決しながら、役員や従業員の経営参画意識を高めています。
京セラの稲盛氏も同様に世襲経営を取らず、同様の試みをなさっているように記憶しています。
本来的に社員の経営参画や考える経営、帰属意識の強化を図る上では合理的であると考えます。