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    本日9月10日の日経新聞に介護保険の膨張についての問題提起がされていました。

    少し整理してみようと思います。

    ① 前提
     
      施設・在宅サービス給付費は現在9兆円ですが、

      2025年(団塊の世代が75歳以上となる年)には現在の2倍以上の20兆円まで膨張するとされています。

      給付費が2倍になれば、その負担額も2倍になりますが、

      各ステークホルダーの負担は以下のように区分されています。

    負担区分負担割合負担者負担割合内訳
    公費負担50%25%
    都道府県12.5%
    市町村12.5%
    保険料50%第1号被保険者 65歳以上22%
    第2号被保険者 40歳以上 医療保険加入者28%

      健康保険協会の一般被保険者の介護保険料率は1.65%

      月収が40万前後の場合、保険料の計算に用いる標準報酬月額は41万円ですので

      月の介護保険料=41万円×1.65%=6,765円 となります。

      6,765円を事業主と折半しますので、毎月3,383円 年間40,596円の負担となります。

      他に賞与額にも同様に保険料が同じ料率で発生します。

      単純に負担額が2倍になると年間81,192円、月額6,766円の負担となります。

      大企業の従業員が加盟している健康保険組合も概ね同様の試算としています。

      個々の家計にも負担ですが、企業にとっても相当に負担となることは確かです。

    このような前提がありますので、公費負担をする国や自治体はもとより、

    健康保険組合連合会などからも給付の適正化(抑制努力)への要求が高まっています。

    ② 給付費増大のメカニズム

    給付費=給付対象人数×給付単価の式で表すことができますが、

    介護サービスを必要とする高齢者の増加=給付対象人数が増えていくことは明白ですし、

    人数の増加は給付費を増やす主たる要因となります。

    ただ、給付単価の高騰(高止まり)もその要因として説明されています。

    ③ 給付単価高騰(高止まり)のメカニズム

    記事ではそのメカニズムを

    1)受給者(消費者)、2)供給者、3)給付制度の視点から整理して提示しています。

    ステークホルダー単価高騰要因
    サービス受給者1)サービス受給時に支払う自己負担額が安価であること
    2)毎月の給付月額の上限枠の中であれば何回でも利用可能であること
    →結果、安易に頻回に利用することがあること。
    実際に月の平均利用回数は9.2回であるが、
    個々の事由はあるにせよ、その10倍程度の利用例の報告がある。

    自己負担率は原則10%
    ヘルパーによる生活援助のコストは平均2000円、10%負担で200円
    対して民間の家事代行サービスの金額は1時間925円程度。
    サービス供給者保険対象施設の総量規制の枠外であるサービス付き高齢者住宅の運営事業者が
    系列サービス事業者による在宅サービスを入居者に提供するモデルが増加している。
    サービス処方者
    保険者(自治体)
    個々の受給者に対するサービス供給計画(処方箋)はケアマネージャーが作成
    保険者である自治体にサービス供給計画(ケアプラン)の見直しを求める権限が無い。

    その対策としては、

    1)サービスの月利用回数の上限を設ける

    2)要介護状況を改善したサービス供給者に報酬を与える制度とする

    などが挙げられています。

    介護保険の目的は、

    介護を必要とする高齢者が住み慣れた地域で尊厳ある自立して暮らしていくことです。

    介護サービスは高齢者の自立を害するものであってはならないはずです。

    サービス提供がその仕方により本人の心身状況を低下するようなことが起きているのであれば

    そのサービスは不適切であると言えます。

    今回取り上げられているようなサービス提供により、

    提供を受けた方の介護度がどのように変化したのか。

    その点についてまた記事にしていただければと思います。

     

        



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