レクサスとオリーブの木やワールドイズフラットのトーマス・フリードマンの新著です。
2007年にアイホーンが発売され、前後してSNSのFBがスタート。
その後の10年余りの早過ぎる変化の中で起きている
社会の分断化や教条主義化などが描かれています。
急激にデジタル経済が進む中で”信頼が通貨としての役割を持ち、
信頼を生み出すビジネスモデルの有効性が高まっていること。
クラウドコンピュータの見方も変わりました。
利用者と供給者といった従来の関係ではなく、
クラウドコンピューティングを提供する側が実際には最大の受益者である。
そのような見方には衝撃を覚えました。
また、クラウドコンピューティングにより教育の普遍性が高まり
これまで力を持たなかった人々が力を得るようになったこと、
それが一方では社会の不安定や反目を助長していること。
そのような劇的な変化をもたらすクラウドコンピューティングは雲などではなく
超新星スーパーノーヴァであると著者は述べています。
また、SNSとIOTの比較もなるほどと思いました。
人だけが発信し繋がることができる、
そのような思い込みに縛られていなことに気づきました。
デジタル機器の普遍化が進む中で今後人々を分かつのは自己動機付けである。
それも確かにそうだと思います。
産業の変化と資産の変化。
産業革命による需要の劇的な拡大(身近だとユニクロが頭に浮かびます。)
シェア経済の発展による人の行動のあり方の変化。
後半は多様性や寛容さを描写するためのミネアポリスを描写していますが、
この点は日本人とアメリカ人とでは前提が異なり、
私には字面を読むだけになったようにも思います。
長い本ですが、気がつけば読み終えいました。
とても多くの刺激を受けました。