今日は夜には雨が降り出すそうですが、
今朝も生駒はとても良い秋晴れの朝でした。
今週は昨日今日と週の前半に社内外の大切な会議がありますので、
なかなか頭が疲れて大変ですが
社員の暮らしを良くするために得るものを得て活用します。
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今回は神戸にある老舗珈琲店 エビアン珈琲店さまの事例です。
エビアン珈琲店さまは1952年(昭和27年)開業
60年以上の歴史を持つ老舗珈琲店でいらっしゃいます。
同社のホームページはこちらですが、
ページを見ると予想に反し珈琲店というより、洋菓子屋さんのような印象を覚えます。
今回の事例からは、そのホームページの理由も理解できます。
同社の強みは
① 神戸市に立地すること。=顧客層が厚いことです。
① 地元商圏内人口が多い=固定客基盤が厚い
② 観光客が多く訪れる=流動顧客も期待できる
② 開業時の店舗の面影を大切にしており、レトロモダンな雰囲気を持つ老舗として特徴を持ち、
地元の馴染み客からも観光客からも愛顧を得ています。
立地に恵まれ、老舗ならではの特徴ある強みもありますが、
そのことにあぐらをかいていては行き詰まるという思いから
スイーツを軸とした事業拡大に積極的に取り組んでいらっしゃいます。
1)25年ほど前からコーヒーと相性良好な洋菓子の開発に着手し
素材を厳選したオリジナルのチーズケーキなどの製造販売を開始なさいました。
2)こだわりの洋菓子は評判を得て、多くの卸売の引き合いを得ることに成功ました。
3)神戸市から神戸セレクションの認定も得ています。
これだけでも大きな成果ですが、卸売による事業拡大を進めることはなさいませんでした。
❶ 卸売は収益性の面で問題があります。
生産量を増やすことで費用が逓減すれば取引の規模が収益を生みますが、
同社の生産体制ではそのようなメリットの享受は難しいように思えます。
❷ 卸売はものづくりの面で問題があります。
お客さまの好みに合わせて絶えず商品を進化させていく必要がありますが
卸売ではそのようなフィードバックが希薄となります。
同社でも卸売は広告宣伝と割り切り、自社小売の増大を事業拡大の基本となさいました。
自社小売=来店者に対する洋菓子販売の拡大を考えたとき
強みであるレトロモダンな店舗は老舗珈琲店としての印象が強すぎるため
洋菓子販売店として十分な認知の邪魔をしていました。
その解消のために店舗の雰囲気を損なわないショーケースを店舗前に設置なさいました。
結果、一気に認知度が高まり洋菓子工房もフル稼働となりました。
店舗が持つ信頼や洋菓子の美味しさなどが成功の根本であるとは思いますが、
一人でも多くのお客さまに知っていただくための努力は貪欲であるべき。
そのことを教えていただける事例でした。
課題としてはインターネットの活用を挙げていらっしゃいますが、
そちらはまだ先になるようです。
事例概要
名称 | エビアン珈琲 |
ホームページ等 | http://www.evian-coffee.com |
概要 | 昭和27年(1952年)開業の関西初のサイフォンコーヒー店 |
従業員数 | 3名 |
特徴、強み、機会 | 神戸のモダンでレトロな雰囲気を伝える老舗として1)地元常連客、2)観光客から愛顧を得ている。 コーヒーと相性の良い洋菓子の製造販売を25年前ほど前から開始 →卸売の引き合いがあり、数年前より外販を強化 神戸セレクションの認定も受け認知度が高まっている |
弱み、脅威 | 卸を介さず洋菓子の自社小売を増やしたい。 ←卸は自社の広告宣伝の位置付け レトロモダン感のある店舗は強みでもあるが、老舗珈琲店としての印象が強すぎる →洋菓子販売店としての認知が十分ではない |
課題(機会の活用) | 強みである雰囲気を残しつつ、洋菓子販売の認知を高める |
実施内容 | 店舗前に雰囲気を損なわないショーケースを設置 |
成果 | 認知が高まり売行き好調 洋菓子工房もフル稼働に |
今後の課題 | 1)新商品開発 2)ネットによる情報発信と通販の充実 |