京都府木津川市のスポーツ用自転車専門店
EURO WORKS La.sista (ユーロワークス ラ・ジスタ)さまの事例です。
ロードバイクやマウンテンバイクなどのスポーツ用自転車を販売なさっていますが、
売上構成は完成車販売が50%、フレームと部品を個別に選ぶ組み立て車50%でいらっしゃいます。
強みとして、
店主が持つ自転車競技者としての経験や、
自転車販売店、自転車の輸入代理店での勤務経験を生かし
顧客が求める高品質のサービスを提供できることが挙げられます。
一方、弱みとしては
1)スポーツ用自転車の規格は2〜3年で変化するために、組み立て加工用工具の規格も変化する。
ー 高額な専門工具を定期的に買い換える必要がある。
2)店主一人でサービスを提供するため、作業中に緊急性の高い客に対応することが難しい
などが挙げられました。
今回の事例では、加工工具や作業台への設備投資を補助金により行いましたが、
その前提として投資を有効に回収するための経営計画書を作成なさっています。
経営計画では投資を回収するために必要な売上を計算しますが、
この作業がとても大切であると経験からも実感しています。
60万円程度の専用工具を今後も3年に1度は更新導入しいく必要があるとします。
単純に考えれば、1年で最低でも20万円の回収ができれば投資としては成り立ちます。
月にすると16700円の回収です。
加工工具導入による人件費やその他経費の増減がないと仮定すると
加工工具導入により得られる関連売上から
フレームやパーツなどの仕入れ代金を引いた金額が
毎月16700円増えれば良いということになります。
その前に、そもそも現在の人件費や経費を確実に回収するためには
1)何人のお客さまが来店し (来店者数)
2)何人のお客さまがその月、その日に実際に商品やサービスを購入するのか (購入率)
3)購入するお客さまは平均していくらの商品やサービスを購入するのか (平均単価)
といったベースラインを明確にしておく必要があります。
その上で投資回収のための来店者数や平均単価を算出し、
あわせて、
誰に: どのようなお客さまにどこから来ていただくのか、
何を: お客さまに何を買っていただくのか
=お客さまが得る価値とその具体的手段としての商品やサービスは何か
どのように:「誰に」「何を」を実現するために、加工工具をどのように活用するのか
などを考えることになります。
意外とこのことをなおざりにしがちなように思います。
今回の事例では
1)最新加工工具と作業台を導入する
2)高精度の部品加工サービスを求める比較的広いエリアの顧客や
近隣住民や近くにサイクリングにお越しになる比較的狭いエリアの顧客に
3)高精度の部品加工サービスと
急ぎのメンテナンスサービスを
4)最新加工工具と作業台により提供する。
といように計画策定を通し、店舗の運営方針を明らかになさいました。
あとは、それをどのように伝えるのか、それぞれの顧客へのサービスの深掘りをしていく
というように店舗のビジネスモデルを確立していくのだと思います。
お考えの通り、言うは易し、行うは難しです。
私のそのことは実感していますが、明確にすることで
スモールスタートやスモールトライアルができるようになりますし、
継続的改善ができるようになります。
そのこともあわせて実感しています。
事例概要
名称 | EURO WORKS L.a.sista |
ホームページ等 | http://euroworks-lasista.com |
概要 | 京都府木津川市の自転車販売業 自転車店や自転車輸入代理店を経た店主が平成24年にスポーツ用自転車専門店として開業 |
従業員数 | 0名 |
特徴、強み、機会 | 店主は自転車輸入代理店や自転車販売店での経験を持つ 販売構成比:完成車:フレープとパーツの組み立て車が1:1 専門的メンテナンスサービスも提供 |
弱み、脅威 | スポーツ用自転車の規格改定 →2〜3年ごとに変更 →組み立て用工具の規格も変更 →旧工具では精度の高い組み立て、メンテナンスサービスが不能に |
課題(機会の活用) | 経営面からも適切に最新規格の工具を導入し、高い精度のサービスを要求する顧客の要求を満たす |
実施内容 | 1)経営計画策定 2)加工用具導入 →売上予測に向き合う →来客数や目標売上金額などが明確に →店の運営方針:誰に、何を、どのようにが明確に →来店人数から逆算し、 どうやって来客を得るのか どのようにサービスを提供するのかが明確に |
成果 | 1)来店客数の増加 最新の工具によるサービスを求める顧客が来店 2)組み立て時間の短縮による生産性向上、安全性の向上 |
今後の課題 | 中身の濃い接客により、初心者から上級者まで幅広いニーズに応える |