滋賀県守山市にある繊維加工業
株式会社清原さまの事例です。
清原さまは現社長のお祖父さまが風呂敷加工業として創業なさいました。
昭和54年(1979年)の法人化を契機に冠婚用ふくさを手がけるようになり
現在では全国に流通するふくさのトップクラスのシェアを占めていらっしゃいます。
しかしながら、他社ブランドでの製造が多く自社の名前が出ることが少なく
自社独自の市場開発や販路拡大が困難でした。
そのことから自社ブランド和奏(わかな)を立ち上げ、
若者や洋装に似合う新しいふくさの売り出すこととされました。
ふくさは
1)(主に年配の)方が和装をなさる時にお使いになる。
2)冠婚葬祭や茶道や華道など日本の伝統的な活動をなさる時にお使いになる。
というような商品特性があると考えます。
商品開発や販路拡大を顧客×用途から考えると
以下のような方向性が導き出せるように思えます。
1)顧客層の拡大:若者が使い易い商品を開発する
2)使用機会の拡大:仕事や日常生活の中で使い易い商品を開発する
3)顧客層や用途の拡大:増加している海外観光客向けの商品を開発する
清原さまも実際に若者、洋装への販路拡大に自社ブランドを使い取り組まれています。
しかしながら、商品のパッケージやカタログ(ホームページ)などは従来のままでしたので
売るための道具が売りたい商品とのミスマッチを起こしていらっしゃいました。
本事例では、補助金をつかい
1)商品のデザインパッケージを刷新
2)自社の姿勢を伝え、コラボレーションを働きかけるカタログ製作
をなさいました。
コラボレーション=自社のできることを明確に伝え、一緒に何かをしようと呼びかける
はとても合理的です。
私も仕事でお付き合いする海外の方に良い贈り物がないかな?と考える機会があります。
仕事や日常の中でお使いいただけるふくさは荷物にもなりませんので魅力的です。
和奏さまのホームページからの引用ですが、
ふくさの語源である「ふくさめる」とは、ふんわりとやわらかく包む、ということ。
ふくさで包むだけではなく、日常の中でも包むことを愉しみながら、暮らしを豊かにする。
とても印象的な言葉です。海外の方にもお伝えしたいと思います。
facebookやInstagramのページも素晴らしいです。
https://www.facebook.com/fukusameru/
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事例概要
名称 | 株式会社清原 |
ホームページ等 | http://kiyohara-net.co.jp http://wa-kana.com |
概要 | 滋賀県守山市の繊維加工業 現社長の祖父が風呂敷加工業として創業 昭和54年に法人化し冠婚用ふくさをてがけるように |
従業員数 | 20名 |
特徴、強み、機会 | 全国に流通するふくさのトップクラスのシェア 自社ブランド和奏(わかな)を持つ 若者や洋装に似合う新しいふくさも販売 しっかりとした事業継承 時代に即した経営 メイドイン滋賀へのこだわり →地域特産品としてアピールできる魅力 |
弱み、脅威 | 他社ブランドでの販売が多く、自社ブランドが表に出ることが少ない 若者や洋装に似合う商品の販路拡大が不十分 ←パッケージが従来品と同じ ←カタログなど広報道具が不十分 |
課題(機会の活用) | 若者の顧客としての取り込み 既存客の洋装時の使用機会をの増大 |
実施内容 | 1)若者向け、洋装向け商品に適したデザインのパッケージ製作 2)販路開拓や自社の姿勢を伝えるためのカタログ作成 |
成果 | がま口やカードケースなどの商品を充実し販路を拡大していく |
今後の課題 | 全国への売り出し |