福井県鯖江市にある前澤金型さまの事例です。
前澤金型さまは1979年創業、
創業以来金型製作からプラスチック成形まで
一貫生産により隙なく地域のものづくりを支えていらっしゃいます。
最大の脅威として、鯖江市のものづくり産業自体の停滞減少という経営環境があげられます。
鯖江市の経済統計からは、メガネ産業は平成20年の761億円から平成26年570億円と
出荷額ベースで25%減少しています。
https://www.city.sabae.fukui.jp/about_city/tokeijoho/tokeisho-mokuji-2.html
そのような環境変化の中で、仕事を待つ守りの経営では先が無いとお考えになり
2013年にいち早く3Dプリンターの導入を決意、補助金を得て導入を実現なさいました。
3Dプリンターに自社が金型と成形で培ってきた技術やノウハウを組み合わせ
試作から製造・量産に対応できる柔軟な生産体制を構築なさいました。
今回の事例では構築された生産体制をより多くの方に告知し、顧客の拡大を図った事例です、
広報計画を作成され、
1)ホームページの内容を充実し、
設備の詳細や何ができるのかをわかりやすく紹介するようにしました。
http://www.maezawa-mold.jp/index.html
2)地域のものづくり博覧会に補助金を活用しコストを抑えながら出展なさいました。
その結果、ホームページの閲覧数は3倍に増加するという成果を挙げられました。
また、事例紹介時5人であった従業員は現在10名に増加しており、
工場の移転も間近とのこと。
攻めの経営がプラスに働いていたのだと思います。
中小企業が事業を拡大していく基本は
既存顧客(層)に対して、より良い(付加価値の高い)商品を提供することだと言えます。
経営資源が限られていますから、絞り込み尖らせていくことが合理的ではあります。
しかしながら、その顧客層自体が減少していく過程では、
尖らせた商品を広げていくことが求められます。
その広げ方をどうするのか。
やはり難しい問題ではあります。
事例概要
名称 | 株式会社前澤金型 |
ホームページ等 | http://www.maezawa-mold.jp/index.html |
概要 | 福井県鯖江市の製造業 |
従業員数 | 5名(当時、現在10名) |
特徴、強み、機会 | 設計、金型製作から成形までの隙のない一貫生産体制 先進的設備投資 金型と成形で培ったノウハウ、技術力 |
弱み、脅威 | 1)差別化 2)広報力の不足 3)地域自体の停滞(出荷額の減少) |
課題(機会の活用) | 早期に3Dプリンターを導入、自社のノウハウと組み合わせた独自の試作・製造システムを確立 システムの告知をはかり利用者を増やす |
実施内容 | 1)広報計画策定 2)ホームページ、カタログの刷新 3)地域のものづくり博覧会にも出店 |
成果 | ホームページのページビューは3倍に |
今後の課題 | 攻めの経営の持続 |