• 大東、四條畷、生駒の中小企業経営を幅広く支援いたします。

    健康保険による治療用装具の”不正な”請求が朝日新聞のデジタル版で報道されています。

    http://www.asahi.com/articles/ASK8J578BK8JUTIL027.html

    健康保険による保険給付の主なものに療養の給付があります。

    風邪をひいたり、怪我をして病院に行けば、

    診察や療養上の助言などを医師から受けることができますし、

    注射を打つなど必要な処置もしていただけます。

    お医者さまから処方箋をいただけばお薬も調剤薬局などで給付していただけます。

    原則全ての保険給付は”現物給付”です。

    私たち患者は会社員であれば自己負担金30%を支払うだけで、

    現物給付分の費用を支払うことはありません。

    現物給付分の費用は医療機関や調剤薬局が保険協会や保険組合に請求しその費用を受領しています。

    ただ、医療機関では給付できない治療のために必要な用具などがあります。

    その中の一つとして挙げられているのがコルセットに代表される治療用装具です。

    腰をひどく痛めた(例えば転んで背骨を圧迫骨折をした)場合に、

    姿勢を整え、動きを制限することで治療を助ける用具としてコルセットが使われます。

    治療用のコルセットは身体に力を加えますので、

    薬と同じで誤った用具や使い方をすれば、かえって身体に害をなします。

    ですから、医師の処方や製作指示に基づき、

    専門教育をうけた国家資格者、義肢装具士が採寸や型取りを行い

    個々の患者の身体に合わせた製品を個別製作し、医師の装着確認のもと患者に納めます。

    この場合、義肢装具士から治療用装具としてコルセットが現物給付されますが、

    義肢装具士は医療機関ではなく多くの場合民間の事業者に所属しており

    協会や組合に費用を請求することができませんので

    患者から治療用装具の代金の支払いを受けます。

    患者は医師の処方箋や義肢装具士からの領収書などを揃え、

    協会や組合に療養費支給申請書を提出し、支払った代金(の70%)の給付を事後的に受けとります。

    今回の報道では、この療養費支給制度について不適切な事例が見られるというものです。

    ”不正”という言葉は強い言葉で”正しくない”=とても悪いこと

    のように読む側は受け取りますが、

    不正なのか、不適切なのか、記事からだけでは確認ができません。

    論点としては

    1)実体面の妥当性

     ① 給付されている用具が”治療用装具”に該当するか

       折れた骨がくっつくなど、疾患の治癒を助けるのか?

     ② 治療用装具に該当した場合、

       療養費として請求されている金額が妥当な内容か。

       治療用装具は患者の症状や医師の処方に沿って個別製作されるため、
     
       公的価格基準に従ってその費用を積み上げ算で計算します。

       その積み上げ項目に妥当性があるか。

    2)手続き面の妥当性

     ① 医師の処方に基づき製作されているのか。

     ② 身体に力を加える装具であれば、義肢装具士により採寸や設計が行われているのか。

     ② 医師による完成時の適合確認などが行われているのか。

    以上のように実体面と手続き面の双方の妥当性が問われており

    いずれかに不備があれば”不適切”でしょうし、

    不適切な事柄について、保険協会や保険組合から指摘や是正依頼などが

    されたにもかかわらず。繰り返しそのような不備を放置している事業者や

    医療機関などがあれば故意ということになり、

    不正ということになろうかと思います。

    医療に関わる方は性善説で制度が運用されているのだと思います。

    保険協会や保険組合の方の事務作業量を考えると

    専門的知識を要する治療用装具の療養費請求について

    その妥当性を全て確認することは大変なことであろうと考えます。

    事業者のあり方としては、疑義があれば事前に保険協会や保険組合に照会する。

    これが基本的なあり方のように思われます。



    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    CAPTCHA