長野県木曽町にある老舗旅館 街道浪漫 おん宿 蔦屋さまの事例です。
蔦屋さまは元禄元年(1688年)の創業、320年余りの歴史を誇る老舗旅館です。
中山道の旅の要所福島宿の中心街に立地し多くの旅人をお客さまとするだけでなく
御嶽山を信仰する御嶽教信者の方の定宿として歴史を刻んでいらっしゃいました。
旅館の顧客基盤は以前は団体客でしたたが、
時代の流れとともに個人客を主たるターゲット顧客とするように変化しています。
蔦屋さまも同様に地域の歴史や自然を生かし、個人客への訴求を強化
旅館名を「街道浪漫 おん宿 蔦屋」と改称するとともに
ロビーラウンジや、食事処、客室をリニューアルなさいました。
とても美しいホームページからも個人のお客さまフレンドリーの姿勢を実感できます。
今回の事例では、その流れをさらに強化するために
調理場を30メートルほど移動し食事処に近づける改修をなさいました。
目的は
1)より温かい料理をスムーズに提供する
2)お客さまの目の前での料理も可能にする
これらを実現しお客さま満足を高め、国内個人客のみならず、
増加が見込まれる外国人旅行客の受け入れ態勢を整備することです。
実際にレイアウト変更を行った結果、
スムーズな料理の提供はもちろんですが、
3)味付けや調理を話題に料理人とお客さまとのコミュニケーション機会が誕生
4)長旅の疲れなどで体調を崩しがちな外国人へのきめ細やかな料理の提供が可能に
このような副次的効果が生まれ、お客さま満足の向上はもちろんですが、
料理人もその反応を直接感じ取ることができる環境を作り出しています。
作り手と使い手を近づけ、双方のコミュニケーション機会を作り出すことの大切さを
改めて確認できる事例です。
そのことを蔦屋さまのフェースブックのページからも感じることができます。
https://www.facebook.com/kiso.tutaya/
こちらのフェースブックではお客さまの様子やお手紙が紹介されており
とても印象的なものとなっています。
事例概要
名称 | 株式会社つたや本店(街道ろまん おん宿 蔦屋) |
ホームページ等 | http://www.kiso-tutaya.com |
概要 | 長野県木曽町の老舗旅館 元禄元年(1668年)創業320年の歴史を持つ |
従業員数 | 10名 |
特徴、強み、機会 | 霊峰御嶽山の麓、中山道福島宿の中心街に立地 旅人以外に御嶽教信者の定宿として顧客を獲得 個人客獲得のために、ロビーラウンジ、食事処、客室をリニューアル 旅館名を「街道おん宿蔦屋」に改称 |
弱み、脅威 | 団体客需要の減少 御嶽山の噴火以降の観光客の減少 |
課題(機会の活用) | 地域の歴史や自然の活用 個人客の獲得 増加が見込まれる外国人観光客受け入れ態勢の整備 |
実施内容 | 経営計画作成 スタッフとの綿密な打ち合わせ 調理場を30メートル移動し食事場に近づける →より温かい料理の提供 →お客さまの目の前での調理ができるレイアウトに |
成果 | スムーズな料理出しの実現 味付けや調理方法を話題に、料理人とお客さまが直接会話する機会の誕生 →お客さま満足感の向上 →料理人の手応えの増大 旅行中に体調を崩した外国人に配慮したきめ細かな食事の提供 |
今後の課題 | 「また来たい」と思っていただける取り組みの継続 |