まずはホームページをごらんください。
http://www.hikobe.co.jp/index.html
同社の誇るイトマキシェードの美しさに感銘を受けます。
創業は1960年、設立は1974年。群馬県桐生市にある照明器材の製造開発販売業
株式会社彦部科学さまの事例です。
同社は設立以来40年以上の長きにわたりイトマキシェードの独自製造法の確立に取り組み
大手メーカーのOEM生産を受託することに成功しています。
OEMのメリットは
1) 安定した受注 : 価格や取引条件が安定しますのでCFが良化します。
2) 少ない販売経費 : 営業活動への資源配分が不要ですので収益性が高くなります。
このようなサイクルを生かし、技術開発力強化に経営資源を配分することができます。
一方デメリットとしては
1) 売り上げ依存度が高すぎると経営がOEM販売先の業績に強く左右されます。
2) 営業活動についてのノウハウや資源が不足し、独自の販路開拓による事業展開が困難となります。
同社の場合は今後強まるであろうデメリット面への対策として
1) 独自技術を生かしたオリジナルブランド商品を開発し
2) オリジナルブランド商品の自社内売り上げ高比率を30%程度まで高め、
経営の安定性をさらに高める。
このような事業戦略を構想なさいました。
前提として既存販路での拡販はOEM先とのバッティングの問題あり
新たな販路を開発する必要がありますが、そもそも営業経験やノウハウが不足しているため
販路開拓がままならないというジレンマを抱えていました。
本事例では販路開拓を図るために、補助金を活用し東京でのギフト分野の展示会に出展し
オリジナル商品による販路開拓に取り組まれた事例です。
ホームページを拝見するとネット販売も実現なさっており、
経営計画に沿って事業を展開なさっていることが理解できます。
少し感じたことは、とても美しいホームページで商品も本当に素晴らしいのですが
少しあっさりしすぎているようにも思えました。
全体の美しさをそこなうことなくストーリーを物語ることは難しいのかもしれませんが、
是非とも取り組みブランド価値を高めていただければと思います。
事例概要
名称 | 株式会社彦部科学 |
ホームページ等 | http://www.hikobe.co.jp/index.html |
概要 | 群馬県桐生市の照明器材・器具の製造開発販売事業者 |
従業員数 | 10名 |
特徴、強み、機会 | 設立以来40年あまり追求してきた独自製法によるイトマキシェードを中核製品として確立している ←独自の開発技術、技術力を持つ 大手メーカーのOEM生産を行なっている。 |
弱み、脅威 | OEM生産に売り上げのほぼ全てを依存している。 事業の柱がOEMのみでさらなる経営の安定が実現できない 新規販路開拓のノウハウがない 既存販路への営業活動はOEM先とのバッティングの懸念から消極的 |
課題(機会の活用) | 独自の開発技術力を生かしオリジナルブランド商品を開発する。 開発品を積極的に販売し、事業のもう一つの柱とする。 |
実施内容 | 経営計画策定 →オリジナル商品の事業化への道筋の明確化 →5年後の目標の設定 →東京での展示会に出展 |
成果 | 出展により独自商品を展開する足がかりを得た |
今後の課題 | 1)出展の継続 2)ネットショップの立ち上げ 3)オリジナル商品の売り上げ比率を全体の3割まで高める |