社会福祉施設での介護職員の労災を減らすために
中央労働災害防止協会 http://www.jisha.or.jp/index.html が
新規施設職員向けの教材を作成しています。
その教材の中では、ベッドから車椅子などへ移乗介護時の抱え上げは原則禁止とされています。
抱え上げ介護は、1)介護者が腰痛(急性、慢性のいずれも)を患いやすい。
2)抱え上げられた入居者が転落などにより重篤な怪我を負う恐れがある。
などの弊害があります。
その代替方法としては、
1)本人の力をうまく活用する。(手すりをつかむ、姿勢を調整するなど。)
2)リフトなどの福祉用具を活用する。
などがありますが、
限られた時間の中で介護を行う必要に迫られている施設では
簡便でありかかる時間も短いなどの理由から現在も行われている例も多いようです。
ただ、施設職員の重篤な労働災害(休業4日以上)は2016年8036人と
前年度よりも5.8% 増加し、この10年で2倍程度に増えているとされています。
これは、社会福祉施設に限ったことではなく一般企業でも同様ですが、
労働安全衛生法では新しく雇用した職員への安全衛生教育を雇用主に義務付けています。
しかしながら、社会福祉施設での実施率は51.8%(2015年11月調査 母数3337事業所)に
留まっているいるとのことです。
福祉機器を利活用した安全な介護動作についての教育は、施設だけでは難しいものと思われます。
福祉機器供給事業者による教育セミナーなどを利用することも一つの選択肢であると考えます。
https://www.p-supply.co.jp/seminars/261